海洋深層水の効果とは?3つの特性とミネラルの働き・研究動向を解説

「海洋深層水にはどんな効果があるのか」「健康や美容に役立つと聞くが、本当に根拠はあるのか」と気になっている方は少なくありません。商品パッケージや広告では魅力的な表現が並ぶ一方で、科学的にどこまで分かっているのかを冷静に整理したい——そう感じる方も多いはずです。

海洋深層水は、清浄性・富栄養性・低温安定性という3つの特性を持つ水深200m以深の海水のことです。市販されている飲用商品は脱塩処理を経た飲料水として流通しており、ミネラルの補給という観点では合理的な選択肢のひとつですが、医薬品ではないため、特定の症状の改善や予防を期待するものではありません。

この記事では、海洋深層水の3つの特性を整理したうえで、現在の研究で示唆されていること、注意したい広告表現の歴史、そして飲料として選ぶときの考え方までを、公的機関の情報や日本語の学術論文をもとに順を追って解説します。

海洋深層水とは|3つの特性が生む水の品質

効果を考える前に、海洋深層水がどのような水なのかを押さえておきます。一般的なミネラルウォーターとは出自が異なる水であり、その性質は3つの特性で語られることが多いです。

①清浄性|生活排水や病原菌の影響を受けにくい深海の水

海洋深層水の最初の特性は、清浄性です。太陽光がほとんど届かない水深200m以深では、植物プランクトンの光合成が起こらず、雑菌や有機物が表層水よりも少ない環境が保たれています。

また、陸水や大気の影響を受けにくいため、産業排水や生活排水による化学的な汚染も受けにくいとされています。海域によっては、海洋深層水中の細菌数が表層水の10分の1から100分の1程度になるという報告もあります。

出典:海洋深層水利用学会

②富栄養性|無機栄養塩類とミネラルを含む水

2つ目の特性が、富栄養性です。深層では光合成が行われないため、表層から沈降してきた有機物が分解されて生じる窒素・リン・ケイ素などの無機栄養塩類が、消費されずに蓄積されていきます。

また、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムをはじめとする多くのミネラルが含まれており、ヒトの体液と近いミネラルバランスを持つとされる点でも注目されています。海洋深層水には80種類以上のミネラルが含まれるとされており、これがミネラル補給という観点で語られる背景になっています。

※海洋深層水には80種類以上の元素・ミネラルが含まれることが科学的に確認されており、弊社はその海洋深層水を使用しています。

出典:高知県「海洋深層水について」

③低温安定性|年間を通して水質が変わらない水

3つ目の特性が、低温安定性です。深い層は外部の気象変動や気温変化の影響を受けにくいため、水温は年間を通してほぼ一定(おおむね9〜12℃)に保たれています。

この水温の安定性は、水質の安定性にも直結しており、季節による成分の変動が極めて小さい水であることが知られています。飲料水としての品質を均一に保ちやすい背景には、この特性があります。

海洋深層水に期待される効果|研究で示唆されていること

海洋深層水について語られる「効果」には、すでに研究で示唆されているものから、今後の研究の進展が期待される段階のものまで、幅があります。ここでは、薬機法・景品表示法のルールに沿って、正確な範囲で整理します。海洋深層水は飲料水であり、医薬品ではないため、特定の症状の改善や治療を目的とするものではありません。

腸内環境への影響を示唆した臨床試験の例

海洋深層水の飲用と腸内環境の関係について、高知県・高知大学・室戸市が共同で行った3年間の臨床試験の結果が、日本海水学会誌(Bull. Soc. Sea Water Sci., Jpn.)にまとめられています。

この研究では、室戸海洋深層水由来の硬度1,000の高ミネラル飲料を長期的に飲んだ場合の腸内環境への影響が検討され、腸内環境の改善に関わるとされる短鎖脂肪酸や、イソフラボン由来のエクオールの増加が報告されています。

ただし、この研究で使われた飲料は硬度1,000の高ミネラル飲料であり、一般的に市販されている軟水〜中硬水帯の海洋深層水飲料とは硬度が大きく異なります。研究結果がそのまま市販品全般の効果として一般化できるものではないため、ひとつの研究事例として参考にする立場で読むのが適切です。

出典:日本海水学会誌 73巻1号(2019年)

ミネラル補給という観点|マグネシウムを例に

海洋深層水を日常の飲料として捉えると、「ミネラルを含む水分補給の選択肢のひとつ」という観点もあります。たとえばマグネシウムは、体内で多くの酵素反応に関わるとされる必須ミネラルのひとつで、食事や飲み物から補給する必要があります。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では成人のマグネシウムの推奨量が定められていますが、同省の「国民健康・栄養調査」では、平均的な摂取量がこの推奨量を下回る傾向が継続的に報告されており、日常の食生活で意識的に補いたい栄養素のひとつとされています。

ただし、必要量を水だけでまかなうのは現実的ではありません。海洋深層水は、毎日の食事と組み合わせて、ミネラルを取り入れる手段のひとつとして考えるのが基本的な向き合い方になります。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

未病・予防医学分野での研究動向

学術領域では、海洋深層水の未病・予防医学分野への応用について、基礎研究から臨床研究まで継続的に取り組まれています。日本補完代替医療学会誌の総説でも、海洋深層水に関する複数の研究領域がレビューされています。

ただし、報告されている多くは動物実験や限定的な条件下での臨床試験であり、市販の飲料水としての海洋深層水について、特定の症状の改善や予防効果を断定できる段階ではありません。今後の研究の進展が期待される領域として捉えるのが適切です。

出典:日本補完代替医療学会誌「海洋深層水の未病・予防医学分野における展望」(15巻2号, 2018年)

注意すべきポイント|過大な効果への期待と広告表現の歴史

海洋深層水について調べていると、「○○に効く」「健康に絶大な効果」といった表現を目にすることがあります。こうした表現とどう向き合えばよいかを整理しておくと、商品選びの目線が変わります。

2001年公正取引委員会の「飲用海洋深層水の表示について」

海洋深層水の飲料市場が広がっていた2001年、公正取引委員会は「飲用海洋深層水の表示について」というガイドラインを公表しました。これは、当時、科学的根拠が十分でないにもかかわらず、健康効果を強調する広告表現が一部に見られたことを背景に整理されたものです。

このガイドラインを踏まえると、飲用の海洋深層水は飲料水(食品)であり、医薬品ではないため、特定の症状を治療したり予防したりすることを目的とした表現は適切ではありません。商品を選ぶ際にも、効果効能を強くうたう表現には冷静な目線を持つことが大切です。

海洋深層水は「医薬品」ではなく「飲料水」

前提として押さえておきたいのは、市販されている海洋深層水は食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合した飲料水であり、医薬品ではないという点です。日常の水分補給やミネラルの補給という観点で取り入れる飲料であって、特定の症状の改善を期待するものではありません。

過大な期待をせず、毎日の食事や生活習慣全体のなかでミネラルを補う手段のひとつとして捉えるのが、健全な向き合い方といえます。気になる症状や体調の変化がある場合は、自己判断せず、医師や専門家に相談することをおすすめします。

▶ 関連記事:海洋深層水のデメリットを詳しく見る

取水深度で変わる海洋深層水の品質

海洋深層水という言葉は「水深200m以深」を指しますが、実際の取水深度は施設によって大きく異なります。深度の違いは、品質の傾向にも影響します。

国内の取水施設と深度の傾向

日本国内には陸上設置型の海洋深層水取水施設が複数あり、取水深度は施設によってさまざまです。多くの施設では水深300m前後で取水されていますが、なかにはより深い層から取水している施設もあります。

深く取水するほど、太陽光や表層の影響をさらに受けにくくなり、清浄性や低温安定性がより安定する傾向があります。ただし、取水コストや設備の複雑さも増すため、深く取水することそのものが商品の希少性につながる側面もあります。

水深800mから取水される海洋深層水の例

深い層から取水している商品の一例として、「あなたのからだに近い水」が挙げられます。伊豆赤沢沖5km・水深800mで取水しており、陸上設置型の取水施設としては国内で最深クラスの深度です(海洋深層水利用学会HP調べ、2025年3月現在)。

また、この深度に存在する海洋深層水は、長い年月をかけて深海を循環する過程で形成された水とされています。「あなたのからだに近い水」が使用している海洋深層水は、約1,000年の歳月で形成されたものであることが確認されています(加速器分析研究所調べ)。

出典:海洋深層水利用学会

日常の水分補給としての海洋深層水の選び方

海洋深層水の特性や研究動向を踏まえたうえで、実際に毎日の飲料として選ぶときには、いくつかの確認ポイントを押さえておくと納得感のある選択ができます。

硬度と飲みやすさ

毎日飲む水として大切なのが、硬度です。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度60mg/L未満が軟水、60〜120mg/Lが中硬水、120mg/L以上が硬水と分類されています。

海洋深層水は商品によって硬度の幅が大きく、軟水寄りの商品から硬度1,000近い超硬水まであります。日本人に馴染みやすいのは軟水〜中硬水の範囲で、料理やコーヒー、紅茶などの日常的な用途にも使いやすい飲み口です。

「あなたのからだに近い水」は硬度40mg/Lの軟水で、料理やコーヒーにも使いやすい飲み口になっています。

成分表示と品質管理の確認

成分表示は100mlあたりの数値で記載されているものを選ぶと、他の商品との比較がしやすくなります。また、原水の検査結果(PFAS検査、放射性物質検査など)や、FSSC22000・ISO22000といった食品安全マネジメントシステム認証の取得状況が公開されていると、品質管理の透明性を確認しやすくなります。

「あなたのからだに近い水」は、原水のPFAS外部検査と放射能検査を実施しており、ISO22000:2018とFSSC22000 Ver.6の認証を取得・維持しています。

シリカ水との違い

海洋深層水とよく比較されるのが、シリカ水です。シリカ水はシリカ(ケイ素)の含有量を特徴として販売されることが多い飲料水で、地下水や火山性の湧水を原水とする商品が中心です。

一方で、海洋深層水は深海の海水を原水とし、シリカを含む80種類以上のミネラルを総合的に含むとされる点が特徴です。「特定の単一成分に注目するか」「総合的なミネラルバランスを重視するか」が、選び方の分かれ目になります。

海洋深層水の効果に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、海洋深層水の効果について寄せられやすい質問をまとめました。気になる項目から読み進めてください。

Q1. 海洋深層水を飲むとどんな効果がありますか?

A. 海洋深層水は医薬品ではなく飲料水のため、特定の症状を改善したり予防したりする効果を期待するものではありません。日常の水分補給として、ミネラルバランスの整った水を取り入れる選択肢のひとつとして考えるのが基本的な向き合い方です。学術領域では研究が継続的に行われていますが、市販の飲料水としての効果を断定できる段階にはありません。

Q2. 海洋深層水は普通のミネラルウォーターと何が違いますか?

A. 一般的なミネラルウォーターは地下水や鉱水を原水としていますが、海洋深層水は水深200m以深の海水を原水としています。清浄性や含まれるミネラルの傾向が異なる点が特徴です。なお、市販されている海洋深層水は脱塩処理を経た飲料水として流通しており、原水の海水をそのまま飲むものではありません。

Q3. 海洋深層水の塩分は気になりませんか?

A. 飲料用として販売されている海洋深層水は、逆浸透膜などによる脱塩処理を経た飲料水です。食品衛生法に基づく清涼飲料水の規格に適合しているため、しょっぱさを感じるような状態では流通していません。気になる場合は、ラベルの食塩相当量を確認するのがおすすめです。

▶ 関連記事:海洋深層水の塩分について詳しく見る

Q4. シリカ水と海洋深層水はどう違いますか?

A. シリカ水は、シリカ(ケイ素)の含有量を特徴として販売される飲料水で、地下水や火山性の湧水を原水とする商品が多いです。一方で、海洋深層水は深海の海水を原水とし、シリカを含む多くのミネラルを総合的に含むとされる点が特徴です。単一成分に注目するか、総合的なミネラルバランスを重視するかで選び方が変わります。

Q5. 「効果なし」という声もあるのは本当ですか?

A. 海洋深層水は医薬品ではなく飲料水のため、薬のような即効性のある変化を期待するものではありません。「効果なし」と感じる声の背景には、過剰な期待があった可能性もあります。日常の水分補給やミネラル補給という観点で、無理なく続けられる飲料水として選ぶのが、納得感のある向き合い方です。

まとめ|海洋深層水の効果を正しく理解して、日常の水分補給に活かす

海洋深層水は、清浄性・富栄養性・低温安定性という3つの特性を持つ水深200m以深の海水で、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムなどのミネラルを含んでいます。学術領域では腸内環境への影響など継続的に研究されていますが、市販の飲料水としては「ミネラルを含む水分補給の選択肢のひとつ」として向き合うのが、誠実な捉え方です。

商品を選ぶときは、効果効能をうたう表現に惑わされず、硬度・成分表示・品質管理の認証情報を確認することが大切になります。取水深度の違いも、清浄性や安定性の傾向に影響する要素のひとつとして見ておくと、納得感のある選択につながります。

「あなたのからだに近い水」は、伊豆赤沢沖5km・水深800mから取水した海洋深層水を脱塩処理し、硬度40mg/Lの軟水として仕上げた飲料水です。日本最深クラスの取水深度(海洋深層水利用学会HP調べ、2025年3月現在)から取水し、ISO22000:2018とFSSC22000 Ver.6の認証も取得・維持しています。気になる方は、商品ページから詳細をご確認ください。

海洋深層水そのものについてもっと詳しく知りたい方は、「海洋深層水とは?水深200m以深の特徴・成分・選び方を解説」もあわせてご覧ください。

▶ 関連記事:海洋深層水とは?水深200m以深の特徴・成分・選び方を解説

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